い草製品の取り扱い方法
い草とは
い草は、畳の原料として古くから親しまれている、日本伝統の自然素材です。 畳以外にも、夏に大活躍する寝ござやい草枕、フローリングにも使えるい草カーペットやい草クッションなど、様々なインテリアアイテムに使用され、私たちの生活に寄り添ってくれています。
この記事では、そんない草製品の取り扱い方法について解説します。い草製品を末長くご使用していただくためのメンテナンス方法等を詳しく解説しますので、ぜひご参考にされてください。
い草の種類
まず先に、い草には泥染め加工がされたい草と無染土い草、染めい草の3種類があります。それぞれのい草について解説します。
泥染め加工されたい草
まず、泥染め加工についてです。 通常のい草は、製造工程において「泥染め」という加工を行います。 この加工を施すことで日焼けなどを防止し、い草の耐久性を上げることができます。 畳のあの心地よい香りも、この泥染め加工から生み出されるものになります。 張り替えたばかりの畳に白い粉がついているのも、この染土が残留したものになります。
無染土い草
上記で説明した泥染め加工をあえて行わない、無染土のい草もございます。 い草本来のナチュラルな色合いが特徴的で、有染土のような白い粉がでません。 また、有染土に比べてカビが発生しにくいという特徴もございます。
染めい草
染めい草は、い草をカラフルな色に染色したものになります。 赤、青、緑のような単色の色だけでなく、紫やピンク、グレーなど、様々な色に染色することができます。
い草製品の取り扱い時のご注意点
ここからは、い草製品の取り扱い時の注意点を解説します。こんなときはどうすればいい?といった疑問にお答えします。
日々のメンテナンス
まずは、日々のメンテナンスについてです。掃除機のかけ方と湿度対策の2点を解説します。
掃除機のかけ方
い草はゴミや埃を吸着しにくい性質があるので、 掃除機をかけるだけで綺麗に保つことができますが、ずっと放置してしまうと汚れが目立ってしまう特性もございます。 掃除機をかける際は、い草の目に沿ってかけるようにしてください。垂直にかけてしまうと、い草がささくれてしまいます。 ほうきを使うのもオススメです。
湿度対策
い草は、空気中の水分を吸放出することでお部屋の湿度を調整してくれる嬉しい効果があります。 しかし、雨の日などは過剰に水分を吸ってしまい、そのまま放置してしまうとカビの原因となってしまいます。 なので、週に1回程度、天気の良い日には窓を開けて換気を行ったり、 風通しの良い場所に置いてあげるなどして、い草に新鮮な空気を吸わせるようにしてください。
変色・退色
い草は長く使用していると、日焼けによる変色や退色が起きてしまいます。 高価ない草などになりますと、綺麗な黄金色になっていきますが、安価ない草はすすけた色となってしまいます。
ささくれ
い草が飛び出てささくれのようになっている現象を「い切れ」といいます。 使用していくうちにどうしても発生してしまう現象ですので、不良ではございません。 い切れを見つけたときは、ハサミや爪切りなどを使ってカットしてください。 このとき、い草を織り込んでいる経糸を切らないようにご注意ください。
すべりやすい床に敷く場合
い草カーペットをフローリングなどのすべりやすい床に敷く場合は、 床とい草カーペットの間に市販の滑り止めシートを入れるか、滑り止め付きのい草カーペットを選ぶようにしてください。
水に濡れた場合
水に濡れたときは、速やかに水分を拭き取って、風通しの良い場所に置いてください。 濡れた部分に食塩をなじませて掃除機で吸い取ると、より水分を除去できます。
カビ・ダニの発生
まずカビが発生したときは、カビをブラシなどで掃き取り、日陰干しをして新鮮な空気を取り入れて上げてください。 これだけでカビを取り除くことができます。 ダニが発生したときは、市販のダニ除けスプレーなどをふってください。天日干しはい草が痛みますのでおやめください。
保管方法
長期間使用しない場合は、湿度がこもりにくく、日光の当たらない押入れなどに保管してください。